大判例

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横浜地方裁判所 昭和45年(借チ)7号 決定

〔主文〕申立人が別紙目録記載の増改築をすることを許可する。申立人は右増改築工事を昭和四六年二月末日までに着手しなければならず、右着手と同時に被申立人に金五〇四、〇〇〇円を支払い、かつ同日以降3.3平方米あたり一カ月金三〇円の地代を支払うこと。

本件手続費用はこれを平分し、その一を申立人、その一を被申立人の負担とする。

〔理由〕一、被申立人所有の大和市福田字乙四区二六〇四番五宅地198.34平方米(以下本件宅地という)につき申立人が普通建物所有を目的とする借地権を有し、現在地代が一カ月3.3平方米あたり金五円の合計三〇〇円であること、本件宅地上に申立人が現在木造亜鉛メツキ鋼板葺平家建居宅兼建坪70.24平方米を所有していることは当事者間に争いがない。

二、申立人は申立人が右地上に別紙目録記載の増改築をすることを許可する旨の裁判を求め、増改築を必要とする事情として、(一)本件建物は大正年代に建築されたもので、相当老朽化しており、自転車修理販売の営業上店舗を拡張する必要があり、(二)申立人家族は申立人夫妻のほか子供五人で現在建物は狭すぎる旨述べ鑑定委員会意見書には異議がない旨述べた。

三、被申立人は申立の棄却を求め、増改築を不当とする理由として、被申立人は本件土地北側に隣接する土地に自動車修理工場および住居を有し、二階建に増築すると日照に支障を受ける、(二)現在建物は明治末頃の建築で老朽化し、近く朽廃して借地権は消滅するべく被申立人は本件土地を自動車修理工場の拡張のため自己使用する予定であるところ、その期待可能性を失う旨述べ、鑑定委員会の意見書につき、地代額とも低廉にすぎ、地代は3.3平方米あたり三〇円、給付額は借地権価格と思われる3.3平方米あたり一四万円とすべき旨述べた。

四、鑑定委員会意見に照らしても、本件増改築が土地の使用上特に問題とすべき点はなく、次項の条件によつて、これを許可すべきものと判断する。被申立人の主張する日照の点は若干の不利益になるに止まり、被申立人方は二階建であること、工場であることを考慮すれば受容すべきものと判断されるし、借地権の近い将来における消滅は現在これを明らかにする資料がない。

五、右許可に伴う条件として、まず財産上の給付については、鑑定委員会意見を相当とし、金五〇四、〇〇〇円を適正と認め、地代額については3.3平方米あたり一カ月金三〇円を相当と認める。(地代額について鑑定委員会意見は経済的には三〇円を相当としながら従前の地代が五円であつたことを考慮して二〇円とすべき旨述べるが、従前の地代の低廉を特に考慮する必要を認めがたいので相当地代に従う。)なお給付および増額起算日は増改築着工の日とするのが相当である。(花田政道)

別紙

増改築の内容

一、建物の所在

大和市福田字乙四ノ区二、六〇四番地五

二、規模、構造

木造二階建店舗、作業所兼居宅

床面積 一階 89.91平方米

二階 47.79平方米

別紙図面のとおり

三、使用目的

一階 店舗、作業所

二階 居宅

四、増改築の方法

現存の木造亜鉛メッキ鋼板葺平家建居宅兼店舗床面積70.24平方米の建物の大半を取こわし、前記二の建物を築造する。

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